羊も少子化?春にやきもき 六甲山牧場

 神戸市立六甲山牧場(灘区六甲山町)では例年、秋から春にかけて数十頭の子羊が生まれ、来場者に愛嬌(あいきょう)を振りまくが、今年は異変が起きている。三月三十一日現在、九頭しか生まれておらず、関係者は「恐らく開場以来初めてのこと」と話している。
 綿羊舎近くの広場では、丸々とした成羊の間を、二月末に生まれた雌の双子が駆け回る。例年この時期は、幼稚園庭さながらのにぎわいを見せるが、今年はほかに“友だち”がおらず、か細い鳴き声が寂しげに響く。
母親の両脇に寄り添う双子の子羊。春の牧場のアイドル
 同牧場では近親交配抑制のため、種付け用の雄を数年ごとに更新する。最近実施したのは三年以上前で、その間に生殖能力が低下した可能性がある。また飼育スペースの都合で羊をほぼ毎年売却。昨年は五、六歳以上の雌三十八頭を手放した。残った雌の多くは若く、十分な繁殖力をまだ備えていないことも考えられるという。
 ただ、妊娠のサインが出ている雌も相当数おり、ベビーラッシュはこれからになりそう。同牧場は「暖かくなってから、かわいい姿が楽しめるでしょう」とPRしている。


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