歴史を刻む大地に歓声

 本覚寺に隣接する八阪神社の横から坂道を登れば、まもなく丘の夢牧場の門が見えてくる。一面に広がる牧草地。そよ風とともに、さわさわと草が波打つ。やわらかな日差しに緑がきらめく。この開放感と爽快(そうかい)感。思わず寝そべってみたくなるほどだ。
 門の右手、木々に覆われたほの暗い一画に富崎城址(し)の案内板がある。富崎城は上杉謙信の軍勢に攻められて落城。城跡からは焼けた米が発掘されたという。のどかとしか言いようのないこの丘に、悲しい歴史が眠っているのだ。
 城跡をあとにして、のんびりと牧場を散策しよう。ヤギや羊、ウサギなどと触れ合えるミニ動物園は子供たちに大人気。「ヤギさん、こっち向いて」「うわあ。羊って、大きいねえ」。にぎやかに言い交わしながら、子供たちは目を輝かせる。東向きに開けたこの丘からの眺望は予想以上の素晴らしさだ。青空を独り占めするかのような一等地。立山連峰がひときわ映える。

囲われた山羊?

丘の夢牧場 (富山県富山市)

PAGE TOP