羊1000匹いけにえにすれば地震回避?=インドネシア

 インドネシア国営アンタラ通信によると、ユドヨノ大統領(写真)は12日、昨年末から同国周辺で相次いでいる大地震を回避するため、子羊を1000匹殺害するよう繰り返し忠告を受けたことを明らかにした。同大統領は「ばかげた迷信だ」と語り、忠告を相手にしない考えを強調した。
 忠告は電話のメッセージサービスを通じて寄せられた。子羊をいけにえにすれば、地震の力を抑制できると主張し、「大統領閣下。どうか1000匹を殺害してください」と訴えているという。
 ユドヨノ大統領は「地震は自然現象であり、科学的に説明できる」と語り、国民に対し、迷信を信じないよう呼び掛けた。インドネシアは国民の大半がイスラム教徒だが、今も多くの人が古くから伝わる魔術を信じている。
 インドネシアのスマトラ島沖では昨年12月、マグニチュード(M)9.3の地震が発生し、これに伴って起きた津波と合わせ、同国を中心とするインド洋周辺諸国で約22万人が死亡した。また、3月にも近くで大きな地震があり、ニアス島で670人以上が犠牲になった。専門家は、同じ地域で大地震が再発する可能性があると警告している。

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