2016年07月06日

●バルザック 「鞠打つ猫の店」

愛は家事の気苦労の前では何ほどのことでもないから、幸せでいるためには夫婦はお互いに相手にしっかりとした長所を見つけなくてはならない。
夫婦のうちの一方が他方よりも物知りであってはならない、なぜなら二人は何よりもお互いを理解し合わねばならないからである。
ギリシャ語を話す夫とラテン語を話す妻では、飢え死にしてしまうおそれがある。
ギヨーム氏はこうした類の諺を作り上げていたのである。
彼は身分違いの結婚を昔作られていたことのある絹と羊毛が合わせられた織物にたとえていたのだが、そうした生地は時間が経つと絹が羊毛を裂いてしまうのが常のことだったのである。

19世紀フランス、オノレ・ド・バルザックの「鞠打つ猫の店」を。
愛は価値観の違いを乗り越えられない、という残酷にもほどがある結末を容赦なく描く短編。ヒロインの父親である堅実なラシャ商人ギヨーム氏が、娘を見初めた高貴で傲慢な芸術家に対して抱く不安が、かれの職業に即したたとえによって語られます。

ひつじnews at 2016年07月06日 17:13 | Category : ひつじ話
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