M・B・ゴフスタイン 「おばあちゃんのはこぶね」

ひつじグッズ

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二とうのぶちのあるヒョウと、
二とうのおとなしいヒツジ、
二とうのはいいろのウマと、
二わのしろいハトは
ちちがわたしにはこぶねをくれたとき、
もうせんしつに
はいっていた。

「ブルッキーのひつじ」をご紹介しているM・B・ゴフスタインの絵本、「おばあちゃんのはこぶね」です。
父親から贈られた玩具のはこぶねを、90年間大切にし続けてきたおばあちゃんの、静かな思い出話です。

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新疆ウイグル料理「香膳」。

ひつじ食

ヒツジヒツジ言ってるわりに、あまり「食べる」方向にはむかわないひつじnewsですが、そのあたりを克服すべく、近くの新疆ウイグル料理屋さんに行ってまいりました。

あったかくてボリュームのあるウイグル中華まん(マンタ)や餃子(トゥギレ/トゥギリス)、手延べで腰のあるウイグル手打ち麺(ラグマン)があります。
機械は使わず皮、麺から手作り。 具材ももちろん無添加で安心安全。 お肉は羊・ラム肉を使用。

名古屋市守山区、名鉄瀬戸線喜多山駅至近の、清潔感のあるこじんまりしたお店なのですが、女将さんがそれはそれは明るいかたで。
お昼どきに到着し、羊肉五目うどん「ラグマン」を頼み(お茶がポットで添えられてくるのがまた嬉しい)、
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美味しくいただいたあと、羊肉入りの「マンタ」をテイクアウトして帰ろうとしますと、
「はいはい、冷凍の肉まんね、遠くから来てるの?」
「あ、はい、○○なので、一時間くらいで……」
「○○!? そんな遠くから来てラグマン一皿で帰るの!? ちょっと座りなさい、もう一回麺打つから!」
……はい?
何を言われたのかよくわからないままぼーっとしてたら、「おかわり」が出てきました。今度は平麺です。
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なんなんですか、この「実家のおかあさん」とか「夏休みに行く田舎のおばあちゃん」な感じ。
ウイグルの流儀? この女将さんのお人柄?
なんにせよ、断ったらいろんなレベルのバチが当たりそうな気がしたので、全力で完食してきました。美味しゅうございましたが、ちょっと途中で気が遠くなったのは内緒です。
マンタは、翌日、蒸し器でふかふかに蒸かしていただきました。クミンの効いた羊肉餡がほろほろと。
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お近くならば、ぜひ一度。

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淡路ファームパーク イングランドの丘

ひつじを見にいく

第4回動物アイドル選抜選挙開催!
イングランドの丘の動物たちの中で、誰が一番人気があるのかを決める『動物アイドル選抜選挙』を今年も開催いたします。
投票いただいたお客様の中から抽選で素敵なプレゼントをお送りさせていただきます。
投票期間 4月25日─5月31日
投票場所 入園ゲート コアラ館

開戦の狼煙

第4回動物アイドル選抜選挙の候補者紹介

ak様から、兵庫県南あわじ市の農業公園「淡路ファームパークイングランドの丘」のことを教えていただきました。ありがとうございます。
動物飼育スタッフ公式ブログを拝見していると、ヒツジたちの一頭一頭がずいぶんキャラの立った子たちばかりのようで、とても心惹かれます。美脚のロマノフスキー「エリザ」ちゃんとか、なぜかボウボウに鼻毛が出ているサフォークの「ひじき」君とか。
ただいま、全動物たちを対象にした人気投票が開催されている模様。ヒツジ代表のコリデール「ちゃっぷりん」君は、たいへん男前ですよ。

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オウィディウス 「祭暦」

ひつじ話

さて、このとき、太陽にまなざしを上げれば、こう言うことができるでしょう。
「この太陽は昨日はプリクススの羊の毛皮を踏んでいた。」
穀物の種子を焼いた罪深き継母の奸計のせいで、苗が、いつもとは違い、芽をひとつも出しませんでした。
鼎のもとからたしかなお告げを聞いて帰るようひとが送られます。
不作の大地にデルピの神がどのような救いを教えるか知りたかったのです。
ところが、この使者も種子同様に腐り切っていて、ヘレと若殿プリクススの命をお告げは求めている、と伝えます。
ついには、種蒔きの時期も迫り市民とイノが王の反対を押し切って、非道な命令を認めさせました。
プリクススと妹の二人は、額を髪飾りでおおい、並んで祭壇の前に立つと分かち合う悲運を嘆きます。
これを、たまたま天から垂れ懸かっていた母親が目にし、驚愕した手でむき出しの胸を打ちました。
雲を引き連れ、大蛇から生まれた都へと飛び降りると、そこから自分の子供たちを救い出します。
そして、逃げおおせるよう、黄金の輝きまばゆい牡羊を授けます。
牡羊は二人をのせて長い海路を通ってゆきます。

ずいぶん前に、オウィディウスの「転身物語」金羊毛にかかわる物語をご紹介したことがあるのですが、こちらは同じくオウィディウスによる、日々の暦に従って万象を語る『祭暦』からの一章です。
「三月二十三日」の章に、「三月二十二日から太陽が牡羊座宮に入ったことの表現」(訳注より引用)である「プリクススの羊」の一文のあと、牡羊座のもとになった黄金の羊がプリクススとヘレの兄妹を救う伝説が語られています。

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勝鬘院、多宝塔の蟇股。

ひつじ話

関西の羊スポットに、もう一か所立ち寄ってまいりましょう。
大阪市は四天王寺のほど近く、地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ヶ丘駅至近の「愛染さん」こと勝鬘院です。

愛染堂勝鬘院公式HP

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こちらの境内にたつ「多宝塔」の蟇股に十二支の動物たちが彫刻されているのです。
蟇股彫刻は、これまでに、東京は上野動物園内にある旧寛永寺五重塔と、宮城県は松島の五大堂をご紹介しています。
こちらのも、また良い風情ですね。
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十二支の並ぶ位置からすると、たぶんこれが未かと。丸みがあってかわいらしいです。
せっかくなので、他の動物たちも下に。
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ご縁があれば、ぜひ。

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神戸市教育会館の石羊。

ひつじ話

かつては墳墓を守っていたと思われる、石彫の羊を時々ご紹介しています。
これまでに、京都の京都国立博物館野仏庵、東京の東京国立博物館根津美術館のものについてお話をしておりますが、このたび不可思議な場所に同種の石羊がいることを知って、兵庫県は神戸市まで行ってまいりました。
JR・阪神元町駅を下車、東口から出て鯉川筋を北へ十分ほども上ったところに建つ、神戸市教育会館の外壁です。

神戸市教育会館公式HP

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上の方に、なにか……、あ、あれか!
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もとは個人宅の玄関先を守っていたものが移されてきたとのことですが、置き場所がここというのは、すごいですね。
訪問者のためには、最高の目印だと思います。ご縁があれば、ぜひ一度。

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大垣祭のやま行事。

ひつじ話

先々月の近江八幡左義長まつりにつづいて、岐阜県に行ってまいりました。
目的は、国の重要無形民俗文化財に指定されたばかりの「大垣祭のやま行事」。5月9、10日に岐阜県大垣市にて行われた山車行事です。

360年余の伝統を誇る大垣まつり
大垣まつりのやまの起源は、慶安元年(1648)に大垣城下町の総氏神であった八幡神社が、大垣藩主戸田氏鉄公により再建整備されたおり、城下18郷が喜びを御輿3社の寄付で表し、大垣10か町が10両のやま(出しもの)を造って曳回したのが始まりといわれています。

全十三両の「やま」のうち、「相生(あいおい)やま」と「榊(さかき)やま」に十二支の動物たちが彫刻されていると聞きまして、これは見に行かねばと。
ともあれ、まずは大垣八幡神社にお参りです。
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干支絵馬もかわいいものがありました。絵馬も少しだけ集まってまいりましたので、こちらでぜひ。
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JR大垣駅に着いたのは9日土曜のお昼どきだったのですが、やまは市街地一帯を自由巡行中との由。夕方に八幡神社に集結するまでは、目当てのやまは自力で発見せねばなりません。
案内所のテントまで行けば(あるいはスマホを持っていれば)リアルタイムで居場所確認ができるようになっているのですが、これが思いのほか難易度の高いミッションで、相生やまと榊やまに運命の出会いを果たしたのはじつに三時間後でした。
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上が相生やまのヒツジで、下のが榊やまのヒツジです。やっと会えたー!会いたかったよー!
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相生やまは近年になって復元されたものとのこと。ヒツジが丸々してヒツジらしいのはそのためでしょうか。
大垣まつりは、大垣の街中が沸き返るたいへん盛大なお祭でした。ご縁があれば、来年、ぜひぜひ。

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愛知県陶磁美術館 「耀きの静と動 ボヘミアン・グラス」展

ひつじ話

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16世紀から17世紀にかけてハプスブルグ家の庇護の下、プラハは「ドイツ国民の神聖ローマ帝国」の帝都としてヨーロッパ随一の文化都市に発展しました。
そうした中で、続く18世紀、無色透明のガラスに複雑なカットと精緻な彫り文様を施す加工技術で、ボヘミアン・グラスは最高級ガラス工芸品としての名声を確立します。
会期 2015年4月11日(土)─5月24日(日)
会場 愛知県陶磁美術館 本館1階
開館時間 午前9時30分─午後4時30分 (入館は閉館の30分前まで)
休館日 毎週月曜日
愛知県陶磁美術館公式HP 内 プラハ国立美術工芸博物館所蔵 耀きの静と動 ボヘミアン・グラス

愛知県陶磁美術館で開催中の「ボヘミアン・グラス」展に行ってまいりましたら、ヒツジが数頭ひそんでましたので、ご注進を。
羊のいる田園風景を彫り込んだゴブレット、金羊毛勲章を紋章とするハラフ伯爵家のゴブレット、黄道十二宮を描いた12個のビーカー一揃いなど。
こちらの展覧会は、このあと、神戸市立博物館に巡回の模様。お近くならば、ぜひ。

会期 平成27年6月6日(土)─8月30日(日)
開館時間 10時から17時まで(入館は16時30分まで)※土曜日は19時まで開館(入館は18時30分まで)
休館日 月曜日(ただし、7月20日(月・祝)は開館)、7月21日(火)
神戸市立博物館公式HP 内 プラハ国立美術工芸博物館所蔵 耀きの静と動 ボヘミアン・グラス

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寺田寅彦 「先生への通信」

ひつじ話

ローマへ来て累々たる廃墟の間を彷徨しています。
きょうは市街を離れてアルバノの湖からロッカディパパのほうへ古い火山の跡を見に参りました。
至るところの山腹にはオリーブの実が熟して、その下には羊の群れが遊んでいます。
山路で、大原女のように頭の上へ枯れ枝と蝙蝠傘を一度に束ねたのを載っけて、靴下をあみながら歩いて来る女に会いました。

 「寺田寅彦随筆集 第1巻」 

寺田寅彦の旅行記『先生への通信』より、「ローマから」の一章を。
「靴下をあみながら歩いて来る女」というのが、ちょっとミレーの描く少女羊飼いみたいで、想像をかきたてられます。
夏目漱石の高弟としても知られた人物なので、あるいは「先生」というのは漱石のことでしょうか。
漱石は「三四郎」を、
他の同時代の人々として、幸田露伴「羊のはなし」南方熊楠の「十二支考」和辻哲郎「イタリア古寺巡礼」をご紹介しています。

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日本最古のフェルトは羊毛製であることが判明。

ひつじ話

正倉院の毛氈素材は羊毛 科学的根拠で証明
宮内庁正倉院事務所(奈良市)は、正倉院所蔵の敷物「毛氈(もうせん)」(フェルト)の素材が、従来考えられていたカシミヤに似た山羊(やぎ)の毛ではなく、羊毛であることが分かったと発表した。
毛氈は、動物の毛に熱や圧力を加えて繊維をからませ、フェルト化したもの。
紀元前から、中央アジアの遊牧民が敷物や壁掛けなどとして使用していた。
正倉院に伝わる毛氈も中国などからの輸入品と考えられ、聖武天皇が愛用した華やかな文様の「花氈(かせん)」や「色氈(しきせん)」などが残っている。
今回、新たにマイクロスコープや電子顕微鏡を使い、剥落した毛を縦に切った断面図も調査。
結果、これまで「カシミヤに似た古品種の山羊毛」とみていた素材は、中央アジアや中国の羊の毛に類似していることが分かった。
実際に試作してみると、カシミヤは耐久性に乏しく、フェルト化しにくいことも確認された。

日本史に出てくる羊毛製品については、ずっと江戸期の羅紗の話ばかりをしていたのですが、このたびak様に教えていただいたこのニュースで、一気に時代をさかのぼってしまいました。ありがとうございます。
羊を描いた正倉院宝物はいろいろご紹介したことがあるのですが、素材が羊毛のものについてお話するのは初めてです。羊の姿だけが入ってきていて羊毛製品が無いというのは、どうにも落ち着かなかったので、こちらのニュースを見てなんだかほっとしました。
調査結果は、「正倉院ホームページ」にて全文閲覧可能です。ぜひ。

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