フランス革命暦のカレンダー

ひつじ話

 革命暦カレンダー 霧月
今日のカレンダーの先駆けとなった形式で、個人(とくに男性)向けに、人や動植物を織り込みながら、時とともに移り変わる擬人化・理想化された自然の多様な姿を夢想させるようになっている。

フランス革命時に作られ、使われた革命暦(共和暦)のカレンダーです。この「霧月」は晩秋に相当しますが、この季節の擬人化・理想化が、羊飼いと羊、ということになるわけですね。・・・そうなの?
革命暦については、ウィキペディアを。  → 「フランス革命暦」

記事を読む   フランス革命暦のカレンダー

村上春樹 「羊をめぐる冒険」

ひつじ話

講談社文庫版、上巻
「どの程度に大事なんだ?」
「来ればわかるよ」と彼は言った。
「どうせ羊の話だろう」とためしに僕は言ってみた。言うべきではなかったのだ。受話器が氷河のように冷たくなった。
「なぜ知ってるんだ?」と相棒が言った。
 とにかく、そのようにして羊をめぐる冒険が始まった。

村上春樹初期3部作の3作目です。

記事を読む   村上春樹 「羊をめぐる冒険」

タカワラビの根茎

ひつじ話

タカワラビの根茎
バロメッツまたはタルタロスと呼ばれる植物をご存知だろうか。幹の先あるいは地中に羊を生み出すという伝説の植物である。14世紀の初頭にタタール地方で10年間を過ごしたフランシスコ派のイタリア人修道僧オドリコやマルコポーロの見聞録をもとに、自らもトルキスタンや中国を旅したイギリス人のJohn Mandevilleが1356年に著した旅行記のなかで紹介したものである。
 この不思議な想像上のものと考えられる植物の実体はシダではないかと考えたのがドイツの科学者で1725年のことだという。ほどなく、ジョージ2世の侍医でもあった Sir Hans Sloane が、これこそバロメッツの標本だとロンドン王立協会に持ち込んだものが、褐色の鱗片で覆われた小さな羊を思わせるタカワラビの根茎であった。

「バロメッツ」の学名、「スキタイの羊」の英名、「ヒツジシダ」の別名を持つシダ植物です。伝説のバロメッツの正体なのかどうかは、とりあえず謎、ということで。

記事を読む   タカワラビの根茎

羊雲と光冠

ひつじ話

羊雲
羊が牧場で群れているように見える雲で、高積雲の一種です。この雲が太陽や月を横切ると、美しい光冠が見えることがあります。西洋ではこれを黄金の羊、神の使いの羊と呼ぶそうです。

同じく「空の名前」から、光冠を。

光冠

光冠については、こちらを。 → ウィキペディア より 「光冠」
しかし、黄金の羊というとこちら、天の羊と言われればこちらを連想してしまうわけですが。空に羊を見いだす感覚とか、これらの関連とか、いろいろ気になります。

記事を読む   羊雲と光冠

生まれたての子羊リアル版

ひつじ話

西ウジムチンの放牧
放牧中の出産。 (中略) あとから母ヒツジがついて来る。ついて来なければ、母と子の絆が弱いと判定されることになる。

モンゴルの放牧風景です。放牧中に子羊が生まれたとき、宿営地が遠くなければ、こうしてぶらさげて帰るものらしいです。

記事を読む   生まれたての子羊リアル版

ギリシャ神殿のイオニア式石柱

ひつじ話

大理石で木を真似るようなアブナイ起源を持つギリシャ神殿の信仰の中身がアブナクナイわけがあろうか。 (中略) 戦いの前に勝利を祈る時、酒や果物だけでなく牛や羊を殺して列柱の辺りに献げ、勝ったお礼として、敵の捕虜を列柱にしばりつけ犠牲に供し、飲めや歌えの神人共食の夜は更ける。 (中略) 実はこうした血と肉の記憶は白大理石のギリシャ神殿のスタイルに刻まれていて、たとえばイオニア式の渦巻きは犠牲の羊の頭に由来し、柱の礎石の同心円状の形は犠牲に供す捕虜をつないだ縄の形ともいわれる。

記事を読む   ギリシャ神殿のイオニア式石柱

ジャン=フランソワ・ミレー「生まれたての子羊」

ひつじ話

ミレー 生まれたての子羊

ジャン=フランソワ・ミレーの「生まれたての子羊」です。子羊の前脚とか母羊の表情とか、愛おしくてたまりません。

記事を読む   ジャン=フランソ ...

河鍋暁斎のひつじ戯画

ひつじ話

暁斎戯画
(羊)「ぶんめいかいくわ(文明開化)のこの東京に、こし(腰)にりようとう(両刀)をよこ(横)たえて、さいミ(細身)のはおり(羽織)、はさみ手ぬぐひ。ナントひら(開)けねへやつ(奴)じやナア
(狼)「ナニをこしやくな、この唐人め。下におりて見ろ、手ハ見せぬぞ

 河鍋暁斎記念美術館
伊蘇普物語之内 羊と狼の話、惺々暁斎、上州屋出版、明治6年、中判錦絵 

幕末明治期の絵師暁斎の戯画です。屋根の上で洋装ひつじがいばってます。

記事を読む   河鍋暁斎のひつじ戯画

山羊・羊効果

ひつじ話

端的に言うと、『超能力を信じない人の前では超能力は発現しない』という現象・仮説である。
超能力を実験で検証する際に、超能力を信じる者(羊)が主催する実験では、超能力の存在が証明される結果が出るのに対し、超能力に懐疑的な者(山羊)が主催する実験では、超能力を否定する結果が出ることがしばしばある。
信奉者たちは「懐疑派たちは超能力の実在を信じたくないために、無意識にその発現を妨害する波動を出しているのだ」といい、懐疑派たちは「厳密に科学的な検証ができない以上、やはり超能力は存在しないのだ」と言う。

お友達のカーター卿さんからネタをもらいました。このウィキペディアの記事を書かれたのもご本人。ありがとうございます。
それにしても、「羊」と「山羊」のイメージの違いって、意外と深い謎だと思うんですが、どんなもんでしょう。

記事を読む   山羊・羊効果

「羊と山羊を分けるキリスト」

ひつじ話

羊と山羊を分けるキリスト
この絵における羊は、恵まれぬ者に親切を尽くしたやさしい人間たちの象徴である。
山羊はその反対に、困っている者に薄情だった人間を象徴している。
やがて神の前に立たされ、こうした分け方をされるとしたら、私たちはさて羊の群れに入れられるのだろうか、山羊の群れに入れられるのだろうか。

ラヴェンナ聖アポリナーレ・ヌオヴォ聖堂モザイクです。分けられてます。

記事を読む   「羊と山羊を分けるキリスト」

香合のひつじ

ひつじ話

湊焼 楽焼羊香合
呉市立美術館 より モントリオール美術館所蔵クレマンソー・コレクション 香合の美展 

ひつじ型の香合です。香を入れる蓋付き器。茶道具ですね。全国の窯で、動物などを模した愛らしいものが焼かれています。

記事を読む   香合のひつじ

ウルのスタンダード(軍旗?)

ひつじ話

ウルのスタンダード(部分)
紀元前2600年頃のウル王朝のスタンダード(軍旗)に描かれた戦争の後の祝宴の図には、種種の家畜が宴のための食料として運ばれている。ウシやヤギ、ヒツジ、ウマの姿が見られる。

 「週刊朝日百科 動物たちの地球121 家畜化の始まり」

記事を読む   ウルのスタンダード(軍旗?)

ゴールドスミスの動物誌

ひつじ話

羊は、現在の家畜という状態では、すべての動物のなかで最も無防備で無害な動物である。自由だけでなく、すばしっこさとずるさも失なってしまったようだ。そしてロバにあっては、むしろ忍耐と呼んでもよいものが、羊のばあいには愚かさに見えてしまう。自己保存のための資質は一つも持っていないくせに、とにかくいちおうは無駄な努力をやってみる。のろまなのに逃げようとする。力もないくせに時どき反撃を試みる。

オリヴァー・ゴールドスミスによる動物文学の古典から。第8章の一節が羊の説明にあてられているわけですが、なんかえらい言われようです。

記事を読む   ゴールドスミスの動物誌

羊皮紙の作り方

ひつじ話

その手順は当然ながら羊皮紙ギルドの秘伝とされ、錬金術なみの不可解な用語が飛び交ったらしい。それでも妥当な線の製造法が明らかになっている(黄金と違ってちゃんと本物が製造できるからである)。大雑把な手順を紹介するなら??
1 動物の皮をきれいな冷水にて一昼夜水洗いし、軽く腐敗させて毛を落とす。
2 10日ほど石灰水に漬けてさらに無駄な部分を除去する。
3 ぬるぬるになった皮を取り出して木製の台に張りつけ、特別のナイフで毛と肉をそぎおとす。
4 ふたたび冷水につけて石灰水を除去する。
5 木製の枠に張りつけ、三日月型のナイフで表面をなめしつつ乾燥させる。

使う皮は、羊の皮でなくても良いらしいです。

記事を読む   羊皮紙の作り方

ヒツジキンバエ

ひつじ話

ヒツジキンバエ
ヒツジキンバエの名前の由来は、オーストラリアで羊を侵襲して産卵し、羊に真性寄生しハエ症を起こすことからだと考えます。
   (クリックで鮮明な画像を開きます)

記事を読む   ヒツジキンバエ

PAGE TOP